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Amazon Prime『聖なる鹿殺し』ネタバレと感想

聖なる鹿殺し
という作品をAmazonプライムビデオで見ました。

カンヌの脚本賞に選ばれた映画です。

この記事ではネタバレを含むあらすじと、感想を書いていきます。

『聖なる鹿殺し』:物語りのあらすじとネタバレ

物語はある心臓外科医を中心に回ります。
彼は奥さんと二人の子供に恵まれ、豪邸に住んでいます。明らかに豊かな家庭です。

序盤では彼の家族の豊かな生活と
彼がたまに会っている少年との日々が続きます。

少年に時計をあげたり、一緒にカフェに行ったりするところから親密な関係なのかもと思わせる描写があります。

医師は少年を自宅に招き、家族3人からも歓迎を受けます。

その後代わりにと少年が医師を家に招きますが、そこから少年の動きが段々と不気味になっていきます。

それを悟った医師な少年と距離をおきますが、執拗にコンタクトをとってくる少年。嫌気がさした頃に、突然自分の子供の足が麻痺してうごけなくなります。

ここから物語は静かに死に向かっていきます。

少年の口から「家族3人のうち、誰か1人を殺さないと助からない」という言葉が飛び出し、いくつかの不都合な真実が浮き出てくる。

少年の思惑通りに物事は進んでいくわけですが……

これ以上書くと詳細に入り込みすぎるのでやめておきますが、そんなお話です。

『聖なる鹿殺し』感想:見たくないものを見せられる

この映画ほとにかく非常に気味が悪い。

少年の行動、言葉がどれも不思議な恐怖感を与えてきます。そして少年によって炙り出される、一見正常な家族の異常さと言いますか、隠されていたドロドロした部分が浮き彫りにされていくのです。

ただこの文書で書きたいのは、少年のことではありません。物語の中では少年に翻弄される医師の方です。

なぜ医師の方にフォーカスするかと言うと、私は彼がどうしても好きになれなかった。むしろ、少年よりも彼の方になんらかの不快感を感じたことです。

なぜか?

それは彼の無責任さ、優柔不断さにあると思います。きっと自分も危機に瀕したら彼と同じように行動できない。その事実が自分にとって不快だったわけです。

少年から「3人のうち1人を選べ」という言葉を聞いたあとも、彼は現状を信じずに、息子が歩けないと嘘をついていると指摘します。

そして家族3人が危機に瀕しているのに、自分は普通にご飯を食べて、奥さんにはマッシュポテトが食べたいという。いつ倒れるか分からない、奥さんに対してです。

極めつけは学校の先生に、二人の子供のどちらを残せばいいですか?と聞くこと。

結局彼は最後の最後まで決断しない。そして事のきっかけとなった自分の罪について自分から語ることもありません。

自分の罪が強制的に誰かにきせられ、そしてそれに対して最後まで自分では向き合えない姿。

ただ私が危機に瀕した時に、本当に正しい選択をできるのか?あなたは?

そういうえもいえぬ不快感に包まれて映画は終わります。

などと否定的なことばかりを書いてしまいましたが、独特の音楽とカメラワーク、映像美は一見の価値ありです。

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