猫のように生きたい。
先日実家に帰ったら、窓の外に猫がいた。
真っ白な猫で、その猫は日向ぼっこをしていた。
自分は窓際で勉強していたので、その猫を上から見ていた。
猫はまったく動かない。
数時間の間そこで寝ていた。
たまにスズメが頭上を飛ぶと、それを見送るくらいだ。
猫は何をするでもなく眠り続けている。
一方で私は仕事を一生懸命に終わらせようとしていた。
「なぜ私はこれをやらなくてはいけないんだろうか?」
という考えが頭をよぎった。
「なぜ、猫のように寝ていたらけないのだろう?」
自分は今まで寝るのは無駄だと思っていた。
何かを成し遂げたければ睡眠時間を削らなくてはいけないと。
子供の頃から眠るのは時間の無駄だと思っていた。
昼寝しようと思っても、やることが頭をよぎり全く寝ることができない。
そういう人間だった。
しかし、猫を見てから、寝るのも悪くないな。と思うようになった。
だからここ数日は昼間でも眠くなったら寝るようにしている。
今までよりも一日でできることは減ったかもしれないが、その分一つひとつが大事な作業に見えてきた。
そして一日の時間がよりゆっくりになったように感じる。でも密度も濃くなった。
猫がなにもしなくてもいいのは、何も所有していないからかもしれない。
動物はものをもたない。
いま、部屋を見渡せば何百という「もの」に囲まれて私たちは生活している。
この違いはなんなのだろうか。
もっと身軽に、気軽に猫のように生きたい。
彼らには彼らなりの苦悩はあるのだろう。
それでも猫を見習うことで、少し忙しい毎日から距離を置くことができるのではないか。
スズメをなんとなく眺めることができるのではないだろうか。