日々のこと

夏の暑い日に目を閉じると地中海の街並みがまぶたの裏に浮かぶ

最近は暑い日が続いていて気がめいります。
外に出ると日差しが強くて、肌がぢりぢりと焼かれるようです。

特に湿気がひどい日には、窓を開けた瞬間に全身が心地悪い熱気に包まれます。

外に出るが嫌だなあ。
そんなことを思う日が続くわけですが、今日は少しだけ発見がありました。

それは夏の日差しの中で目をつむり、その暑さに身を任せると
まるで地中海の街中にいるような気持ちになれるのです。

何を言っているんだこいつはと思われるかもしれませんが、
私はなんとなく数年前に行ったギリシャの街並みを思い出します。

あれはコロナのことを考えなくてよかったころ。
ウクライナとロシアの戦争も始まっていませんでした。

アエロフロートロシアに乗れた頃に、私はギリシャを訪れます。

夏の暑い日にわざわざ地中海へ。

私が言ったのはギリシャでも有数の観光名所「アテネ」。街の中央にパルテノン神殿が鎮座する街を、数日間歩き回りました。

街の外壁が白くて、日差しがやけにまぶしかった。
街中には野良猫がいて、彼らが日陰でまどろんでいるのがうらやましかった。

旅をするときには、どこかに行かねばならないという強迫観念みたいなものがあります。観光地をすべてまわり切らなきゃもったいない。

そう思いながら歩いて回っているときに、どうものんびり暮らして見える猫がうらやましくありました。

そんな思い出のギリシャですが、今でも東京で目をつぶってみると、なんだか思い出されるのです。

海外に行けない今ですが、あの頃を思い出してみる。
ふとしたことがきっかけで様々な感情がよみがえります。

街の歴史、暑さ、人々の顔、少し怖い体験、ホステルの室外機のうるささ、ご飯の美味しさ、知らない医者と話したアテネの夜。

今思えば全てが美しく、忘れられないものです。

日常の中で埋もれてしまっていた、懐かしい感情にひたれた。
そんな1日でした。