イベントレポート

【5月13日開催】つつじの娘を弔う第六感劇場 つつじ忌2023【事前レポート】

長野県上田市に位置する「〈シアター〉と〈ゲストハウス〉を備えた街中の文化施設」、犀の角さんで5月に開催される『躑躅忌(つつじき)』。

今年で3年目になります。

第六感劇場 つつじ忌2023~山駈けの儀~

昨年から別所温泉近くで、つつじを切らせていただいており、スケジュールは以下のようになりました。

  • 5月5日 つつじをいただく
  • 5月6日 舞台につつじをいける
  • 5月7日 めぐり花

できあがった作品はこちら。

それぞれ時系列にみていきましょう。

そもそも躑躅忌とは?

/ / 令和5年 太郎山及び虚空蔵山編『躑躅忌』開催のお知らせ / /
太郎山にまつわる民話として名高い「つつじのむすめ」。

むすめは恋人であるおとこに太郎山の崖から突き落とされて命を落とします。

『躑躅忌』は、悲運なむすめの魂を弔うため、つつじの花が咲くこの季節に行う慰霊祭です。山で狩られたつつじを犀の角の舞台に生けます。最終日には、むすめに扮した俳優が実際の虚空蔵山から太郎山を駈けて男の家で餅を振る舞う「山駈けの儀」をコロナ禍で生まれた上演形式<第六感劇場>で行います。

|開催日|
つつじ生花展示 5月6日(土)〜11日(木)
山駈けの儀(第六感劇場)5月13日(土)夕刻〜翌明朝
5月5〜7日にかけて関連催事も準備しています。
詳細は後日発表。どうぞお楽しみに。

|花|
塚田有一

|出演|
寂光根隅的父  GOKU  山﨑到子

|演奏|
小野秀  大沢夏海

◉「第六感劇場」とは?

新型コロナウイルス感染拡大の影響により劇場に人が集まることが難しくなった中、犀の角で新たな演劇の在り方を模索しようと2021年から始まった試み。上演は劇場内ではなく、俳優の姿すら見えないほど遠く離れた場所で行なわれます。人間の五感を、あるいは第六感を研ぎ澄ましていけば、劇場に足を運ばずとも、俳優は観客を、観客は俳優を感じ取ることが出来るのではないか?そんな問いに馬鹿正直に向き合い観客との交信を試みます。これは「劇場」の概念をどこまで拡大することができるのかへの挑戦でもあります。あらゆる身体感覚を開放して、同時刻に、あらゆる場所で、パフォーマンスをお楽しみください。

舞台写真 安徳希仁
企画制作 一般社団法人シアター&アーツうえだ
主催 躑躅忌実行委員会

|お問い合わせ|
躑躅忌実行委員会事務局(犀の角内)info@sainotsuno.org

https://www.facebook.com/search/top?q=%E8%BA%91%E8%BA%85%E5%BF%8C%E5%AE%9F%E8%A1%8C%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A 

5月5日 つつじをいただく

朝、上田市内から車で40分ほどかけてつつじを頂きに行きます。別所温泉から少し入ったところに突然現れるつつじが原。赤、白、薄紫、ピンク色とたくさんの色で鮮やかです。

その中から舞台にいける花や、みんなで花をいけるめぐり花のためにいくつか切らせていただきます。

切る前に塩とお酒を備えて、土地と自然にご挨拶。この日は初夏の暑さ。二十七度ほどまで気温が上がりました。なのでみなさん汗をかきながら、つつじを運びます。

5月6日 舞台につつじをいける

この日は昼頃から犀の角さんでつつじを舞台にいけます。

少しずつ、つつじが花器に活けられて、山のように盛り上がっていきました。

左の山のような花は女性性を表していて、右側の枯れ木と組み合わされた花は月を表しているとのこと。枯れ枝は月のもつ永遠性を示すために取り入れたそうです。

5月7日 めぐり花

躑躅忌に関連するメンバーなどを迎え、全員でめぐり花を行います。

※めぐり花とは

「めぐり花」は、めぐる季節の中で、めぐる季節のシンボルである花を愛で、めぐり合いに感謝し、まためぐりあうことを祈って、 花に仮託した想いを放ち、切り結ぶ振る舞い。ほんのささやかな“今ここ“との逢瀬だが、儚い分その思いが重力となり、磁場を持つ。 花を改めて天地の間に立てることで、目には見えない世界との音信に耳を澄ます。活けた花が「依代」となることができれば、その 場は生々として、音ない(訪れ)を聞く。役目を果たした花は、またいつかめぐり逢えることを願って送られる。現代において、とも すれば消耗品になりがちな花、何度も身体を通すことで、彼らが教えてくれることがある。 「めぐり花」は花の連句。共創する「まつり」。その空間は花による荘厳を待ち、自ずと立ち上がっていく物語に身を任せ、花の側 なる自らの生命を感じることになるだろう。

参照:めぐり花とは
  • 窓際の花器はチーム名「窓際」
  • カウンター側の花器はチーム名「狛犬」

それぞれ口が大きい花器だったので、大きな枝を固定するのに苦労した様子。しかしみんなでいけていくうちにだんだんと形ができていき、最終的には素敵な花になりました。

窓際チームは窓の外から見た時の見た目も意識していた一方で、狛犬チームはカウンターが見えないほどモリモリの花。人が違うと花も違う。

めぐり花の面白さが体現されたような回でした。

さいごに

ここまで躑躅忌の花いけとめぐり花をみてきました。山駈けの儀(第六感劇場)は5月13日(土)夕刻〜翌明朝開催です。

場所は長野県上田市、駅から10分ほど歩いたところですが、リモートでの参加も可能です。

参加方法

その1. 犀の角で参列(現地)
式場で慰霊祭に参列した後、山へ向かうむすめを見届け、待ち、祈り、そして迎える

その2. 第六感で参列(遠隔)
慰霊祭開始と同時刻に、自宅をはじめあらゆる場所から慰霊祭に思いを馳せ、むすめの想いを受け取る

少し独特なスタイルですが、もしお近くにお済みの方はぜひ足をお運びください、またもし遠くの方でも、遠隔でつつじの娘を弔うリモート参加をよろしければ。

参加申し込みはこちら:http://sainotsuno.org/archives/event/tsutsujiki2023

公式リンク:

犀の角:http://sainotsuno.org/

第六感劇場 つつじ忌2023~山駈けの儀~:http://sainotsuno.org/archives/event/tsutsujiki2023

温室:https://onshitsu.jp/