日々のこと

図書館での再発見ー幼年期の楽しみを求めて

社会人になるといつの間にか時間に追われていて、
好きなことをやろうと思っても
どんなことが好きだったか思い出せない。

そんなことありませんか?

私は最近までそういう状態でした。

いつの間にか好きなものや、
やりたいことがよくわからなくなっていた。

なぜそのようなことになってしまったのか?
自分の経験から見ていきたいと思います。

社会人となると、
私たちは効率性や時短を追い求められます。

仕事は山のようにやってきて、
それをこなしていっても、
また次のタスクがやってくる。

むしろ1終わらせたころに、
2〜3くらい仕事が増えます。

このような状況下では、
生活よりも業績の向上が最優先され
(もしくは勝手にそのように感じて)
創造的な小説の読書などは後回しにされます。

時間を使うべきは、
もっぱら自己啓発書や技術書が主になるのです。

私自身、日々の業務がますます忙しくなり、
効率や時短に関する学びが一層進行しました。

しかし、幸か不幸か最近は仕事が落ち着いて
少し余裕が出てきました。

その時、いつの間にか忘れていた
何かを思い出すことになったのです。

私は何年も前から訪れていなかった
図書館に足を運びました。

そこで気になる本を見ているうちに、
子供時代を思い出したのです。

私は子供の頃に、民俗学や
神秘的な世界観を持つ小説に
夢中だったことを思い出しました。

水木しげるの妖怪図鑑、
日本の神話や、
アントニオタブッキ、
ロード・ダンセイニの幻想文学。

そういったものが好きだったと思い出してから、
他にもいろいろと好きだったものを思い出しました。

トレーディングカードゲーム(TCG)で遊ぶこと、
絵を描くこと、
物語を読むこと

などでした。

おそらくですが、
わからなくなっていた「やりたいこと」は、
自分自身の中にすでに存在していたのです。

このような再発見のきっかけとなったのは、
間違いなく図書館でした。

もちろん、時間の余裕ができたことも
大きな要因でしたが、
図書館には書籍の網羅性と、
それらを全て無料で閲覧できるという魅力があります。

それにより、
いつの間にか自分が追求していた
興味・関心を中心に集中することができました。

なぜ図書館でなくてはいけなかったのか?

ここ最近の私は、
KindleやAmazonで本を購入するのが主でした。

本屋さんに買いに行くこともいまや少ない。

KindleやAmazonでは、
自分がすでに興味を持っている分野にしか
注意が向かないのです。

そして、自分におすすめされる本は、
過去の購入傾向から生まれた
アルゴリズムによって選ばれます。

だからこそ、
物理的な本の空間に身を浸すことで、
新たな視点や興味を見つけることができたのかもしれません。

図書館で過去の自分を再発見する経験は、
私たちが忘れてしまったかもしれない大切な価値を思い出させてくれます。

それは、自己の探求と学びの喜び、
そして何より、
幼年期に感じた無邪気な楽しみを追求する
大切さを思い出させてくれるのです。