イベントレポート

はなのみち 2022.3.4『桃夭』【レポート】

赤坂氷川神社で一年を通して開催されるはなのみち。今回は第六季の最後のお稽古でした。

たまに寒い日もありますが、少しづつ暖かな日が多くなったころ。テーマはひな祭りです。

ひな祭り

ひな祭りは、春を告げる日本の代表的な祭りのひとつです。この行事には春の先駆けの桃、椿、菜の花などの美しい花が登場し、寒さの中に春をみつけるよろこびを大切にしてきたこころを感じさせます。

ひな祭りは雛人形を飾ることがイメージされますが、身を清めることを目的とした流し雛など形は様々です。

古くは貴族たちは野山に出て人形とともにご飯を食べ、ひいな遊びを楽しんでいました。私たちが知っている形の、雛人形をかざる行事が登場したのは、江戸時代頃です。春まだ浅い野山に出て、春の気で心身を満たすことが清めであり、若返ることでもありました。

講師の塚田有一は小さな雛人形には、「さ」の感覚があるといいます。

この「さ」は、ささやかなもの、始まりや兆しを表し、エネルギーがパッと弾けるような感覚を表現。そこに聖性を認めます。桜(さくら)の花も同様に「さ」の感覚を持っていると言えます。

ひなまつりに欠かせないのは桃。

桃という植物はお産とのつながりが深く、若々しさや富をもたらすイメージも。

鬼を退治する「桃」太郎や、黄泉比良坂でイザナギノミコトが投げたのも桃で、日本人にとって霊威あるものです。

花活け

第12回目のお稽古の今日。生徒の皆さんはすでに慣れた手つきで、次々とお花を活けます。3グループに分かれて、それぞれの花器にお花をいけました。

第1回目はどう活ければいいのか戸惑う人も散見されましたが、今では他の方と話しながら、穏やかでかつ真剣な雰囲気で楽しんでいました。

完成。春を喜ぶような鮮やかな色彩。

修了書授与

最後に講師の塚田有一から修了書の授与。皆勤賞の方にはオリジナルの修了書と、一人ひとりに選んだ文庫が手渡されました。

コロナも落ち着きつ活気を取り戻してきた、春の始まりのお稽古です。