こんにちは。しんいちです。
先日は映画「ポラロイド」を見てきました。
みなさんはポラロイドカメラをご存知でしょうか?若い人の中にはイメージがつきづらいかもしれませんね。ざっくりと説明してしまえば、昔の「チェキ」のようなものです。
あらすじ
このカメラで写真を撮ると、その場にいないはずの黒い人影が映ります。その黒い人影が映り込むと、その写真に写った人は謎の事故死を遂げる。その曰く付きのカメラでパーティで集合写真を撮ってしまった5人の若者の話です。彼らは死を避けようと、カメラの秘密を探り、驚愕の事実にたどり着きます。果たして彼らは謎を解明し、生き残ることができるのでしょうか?
以下が物語の感想、ネタバレです。
これから観たいからネタバレしないで!!という方はご注意ください。
カメラの特徴
まずはこの作品の中で登場する呪いのカメラの特徴を見ていこうと思います。
- 写ったら殺される
- 写真を破損させれば、写ってる人にも同じ被害が及ぶ
- 影は一人一人順番に殺す
- カメラは壊せない
- 怪物は熱に弱い(写真と同じ)
現実世界に影響を与える写真
この中で特に面白いと感じたのは、写真を折ると写ってる人が折れる、写真を燃やすと写ってる人が燃えるということです。
初めてカメラに、写った自分見た人は魂を抜かれた、と恐れたと言います。
ありがちな怖い話の中で、憎い相手の写真の顔が塗りつぶされてたり、切り取られてたりする場面を見ると不気味な感覚を覚えます。
写真とはいえ、自分がもしやられたとしたらいい気はしないものです。
そういえば呪いの人形は、藁人形の顔の部分に相手に写真をつけて、釘を打つような場面も見たことがあります。
なんにせよ、写真というのは相手をそのまま写し取ります。そして、一度取られた写真は自由にできる。
ちなみにポラロイドカメラで出てきた写真は一枚だけで、複製できるものではありません。ブロックチェーン上で写真の普及する枚数を限定できたら面白いな、なんて思いました。
今まではチェキという現物でしか発生しなかった限定性という価値が、ブロックチェーンによりオンライン上で達成され、新たな価値を生む可能性があります。
ポラロイドカメラの絶妙な時間
今はスマホでパシャパシャと写真を撮ることができます。その上、撮影した写真がどのようなものか確認することもたやすい。
しかし昔のカメラはそうはいきせん。
私はフィルムカメラを愛用しているのですが、フィルムカメラは撮った写真を確認することができません。現像されるまでどのような写真かわからない。
その時間差が面白いのですが、今回の映画ではちょっと時間がかかりすぎですね。
現像するまで待っていたら、恐怖が伝播しにくい。
一方でスマホでよかったのでは?と思うかもしれません。しかし、これでは早すぎる。
スマホで撮って、すぐに確認する。
そこに黒い影が映っていて怯える。
悪くはないと思いますが、ポラロイドカメラが持つ、あの数分間、空気に触れる間が絶妙です。
空気に触れて少しづつ写真が見えてくる、それを待つ間にゾクゾクするというか、もしかして影な写ってるんじゃないか?という間が生まれます。
最後にモンスターの顔を出してしまう問題
これは声を大にして言いたい。
怪物の正体見せないで!!!!!!
これを、私は昔から「スーパー8問題」と呼んでいます。かつてスピルバーグ氏が作った「スーパー8」というSF映画がありました。正体がわからずにワクワクした宇宙人でしたが、最後に出てきた本体にがっかり。スピルバーグが持つ子供達の青春とSFのワクワク感をぶっ壊してくれました。それ以来、正体が判明するまでのワクワク感が最高なのに、正体が分かるとテンションがガタ落ちする問題を「スーパー8問題」と呼んでいます。
今回もそれでした。
途中まで影で怖かったのに、なんか正体がゾンビみたいな。
怪物の正体を出さないと物語がうまく集結しないのかもしれませんが、これはひどい。。。
ちなみに上手かったなと思うのが、一時期有名になった「パラノーマルアクティビティ」。この作品は一作目の最後まで怪物の正体は現れないのが良いところです。
観客の期待を裏切らないという面で、怪物そのものを出さないで成功した事例と言えると思います。
前半が面白かっただけに、ラストが悔やまれる映画「ポラロイド」でした。